耐震・断熱リフォームをお得にする方法
Q:「耐震・断熱のリフォームは、他の工事と一緒が割安になるって本当なの?」
壁を解体して施工する関係上、他のリフォームも合わせて実施した方が無駄が少なく、総合的に考えるとお得になることも!
長年住んでいる住まいの冷暖房効率が悪く、耐震性も心配だったので、業者に耐震・断熱リフォームについて相談したのですが、「他のリフォームと一緒に実施した方が割安だ」と説明されましたが、本当でしょうか? A:「壁内工事の都合上、他にもリフォームの予定があるなら割安になります」 耐震工事や断熱工事では、壁や天井などを部分的に解体し、その内部に補強材や断熱材を入れ、再びきれいに仕上げる必要があるため、この機会に合わせて内装・水回りリフォームなどを実施すると、別々にリフォームするよりも工事費用を抑えることができます。
住まい内部の工事だけではもったいない!
古い住宅の耐震化を検討する場合、一般的には筋交い(すじかい)と呼ばれる部材や、耐震用壁材を必要な箇所に設置します。これらは室内側の壁を剥がして壁内部を露出させ、補強部材を取り付けます。 さらに断熱化工事の場合は、この時壁内部に断熱材を充填し、壁を元の通りに仕上げていくので、耐震工事と断熱工事は一括に実施した方が解体工事が1回で済むため、耐震工事と断熱工事を別々に実施するよりも費用を抑えることができます。 また、耐震・断熱化工事だけでなく他のリフォームとあわせることでも、解体や補強・復旧工事を兼ねることができ、無駄の少ない工事になります。 キッチンを壁付き型から対面型に入れ替える場合などの水回りリフォームにおいて、壁や床の大掛かりな補修と、給排水管の引きなおし工事が生じますが、こういったリフォームと合わせて壁を補強したり、床に断熱材を入れたりすれば、費用を総合的に抑えることができるのです。 例えば、耐震・断熱だけのリフォームで150万円掛かるとして、浴室・洗面脱衣室のリフォームが120万円だとすると、2つ同時に実施したとしても150万円+120万円=270万円にはならず、重複する解体工事や管理費があるために、それぞれ個別にリフォームするよりも安く上がるということは珍しくありません。
部分的な耐震・断熱工事では効果が薄くなる
最近では非常に優れた耐震金物・金具や、断熱材が開発されていますが、それらは正しい工事、かつ適切な箇所に設置してこそ、期待する耐震性能や断熱性能が得られるものです。 さらに耐震工事においては、住まい全体に耐力壁(建物の水平方向の揺れを支える壁)がバランスよく配置されていることが重要ですし、断熱工事では外部に面する屋根・外壁・
床全体に断熱材を充填することが求められます。耐震も断熱も部分的な施工では、効果が小さくなりやすいのですが、かといって一気に住まい全体をリフォームするには費用がかさみます。 いますぐにリフォームする予定がないのなら、慌てて耐震・断熱リフォームを実施するのは考え物です。やむをえず検討する場合でも、「ついでに」とか「どうせやるなら」という業者の言葉に惑わされず、自分の予算をしっかりと把握し、住まい全体の計画と照らし合わせ、一度に全部ができなくても、「○ヵ年計画」という具合に構想を立てて部分的に進めていくようにするのも良い方法です。
補助金・減税からではなく住まいの計画からアプローチ
そこで重要になるのが、住まいのリフォーム計画です。「貯金に余裕があるから耐震」「減税が受けられるから断熱」と安易に考えるのではなく、我が家をこれから後何年維持する必要があるか、家族のライフスタイルはどう変化するか、などを考えながら、住まいの将来像を描きながらリフォーム計画を策定することで、無駄な費用を極力なくすことができるのです。 住まいの計画が固まってきて、業者と打ち合わせをする段階になったら、自治体の耐震化補助金などを業者に尋ねてみるとよいでしょう。その業者に補助金を利用しての施工実績があれば、積極的に制度の概要や手続きを教えてくれますし、業者の信頼度も見えてくるのではないでしょうか。
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